ホームページ>H8をMacで>その8a・uClinuxに浮気してみる(Ubuntu純正編)
その8a・uClinuxに浮気してみる(Ubuntu純正編)
目次
目的と経緯
以下は、マイコンボードのOSをTOPPERS/JSPからuClinuxに変更した際の覚書です。
折角なので(相変わらず意味不明)、一通り動作するところまでは確認しておきたいと思い、本来のテーマからはズレてしまいますが、Ubuntu 9.04上に開発環境を移して、継続してみました。
入手する
以下の参考サイトから(正確には経由して)、開発環境とカーネルソースをダウンロードしておきます。
参考サイト(1):−ザ・組み込み−ソフトウェアのハードウェア化
今回揃えるものは以下の通りです。
・開発環境(『開発環境:「h8tools」(▼ダウンロードはこちら)』から)
・カーネルソース(『カーネルソース:「uClinux-dist-sbcrbook」(▼ダウンロードはこちら)』から)
経過
<tftp, cu, minicomをインストールする>
まずは、Ubuntu上で不足しているものをインストールしました。
アップデートマネージャで、然るべきパッケージを指定してあげればOKです。(tftpは「tftpd-hpa」を使う)
cu, minicomの設定は、参考サイト(1)のとおりとしました。
ただし、minicomは起動時にモデム接続しようとするため、「モデムとダイアル」メニューで表示される各パラメータを全てクリアして無効にしておきました。
tftpは、設定する箇所は特にありません。(次回起動時以降はNFSサーバ同様、自動で起動します。)
また、inetdも別途インストールする必要はありませんでした。
<開発環境, カーネルソースを展開する>
それぞれ解凍。場所は、参考サイト(1)の推奨通りとしました。
・開発環境:/opt
・カーネルソース:/usr/local/src
<カーネルをビルドする>
ビルド済のカーネルを使わせてもらう場合も、ビルドはしておく必要があります。
(そうしないと、アプリケーション作成時に必要なファイル/フォルダが作成されません。)
今回は作成したbinを使用しないので、とりあえず、「Kernel/Library/Defaults Selection」 の「Deafault all settings」だけチェックしましたが、使用する場合は、もっと精密に指定する必要がありそうです。
<Hello World!!をビルド&実行する>
参考サイト(1)の記述通りにしたら、問題なく実行できました。
なお、makeで「stdio.h: No such file or directory」が出る場合は、このページの画面1/2でのシンボリックリンクの修正の他に、crt0.o等が存在するか確認し、なければ、カーネルのビルドが行われているか、再チェックします。
<MP3ファイル再生プログラムをビルド&実行する>
試しに、以前MES用に作成したMP3ファイル再生プログラムをビルドしてみました。
ファイルオープン部分を若干手直しした程度で、ビルドは完了しました。
なので、実行させてみましたが、メモリ不足のメッセージが表示され、異常終了してしまいました。
(データ領域として50,000バイト取ってあるのが敗因か?)
気づいた点など
- Ubuntsuでは通常suの代わりにsudoを使うが、環境のインストールにはsuになれた方が便利なので、設定してみた。方法は、以下を参照。
参考サイト(2):Electronic Genome - Ubuntuでsuを使えるようにする
- Ubuntsuではtftp転送時、転送ファイルの指定はフルパスではなく、ファイル名のみ。
load -v linux.bin
- dhcpサーバは既にルータが動いているため、ubuntu上では導入していないが、それで問題ないようだ。
- USB-シリアル変換ケーブルは、特にドライバ等を必要とせずに動いている。
- minicomは日本語化されているのは嬉しいが、その関係で、表示と実際の入力位置がズレる。パラメータ変更後は常に再表示して、意図通り変更できているか確認した方がいい。
今後の課題
MP3ファイル再生プログラムが実行できなかったのは、ちょっときついですね。
メモリ空間の配置に問題がある可能性もありますが、いずれにしても今後に不安がつきまといます。(2MBだと2.6系も動かないみたいだし…)
また、パーミッションのことを考えると、常時rootで使用できる(家庭内LANから切り離された)完全スタンドアロンのホストを用意した方がスムースに事が運びますが、それだけの(マシン的)余裕はありません。
中古のネットブック+Kane BeBe II、というのはちょっとそそられるかも。
そして、なにより、本来の趣旨である「Macで」が成立しなくなってしまうのは決定的です。
ということで、やはり浮気は浮気で終わりそうです(笑)。
「その7c・TOPPERSに移行する(シリアル転送編)」へ続く
お世話になったサイト
有用なソフトウェアおよび貴重な情報をご提供頂いている皆様に、お礼申し上げます。(以下、順不同)
参考サイト(1):−ザ・組み込み−ソフトウェアのハードウェア化
参考サイト(2):Electronic Genome - Ubuntuでsuを使えるようにする
更新履歴
2009.12.12 「今後の課題」にリンクを追加。
2009.12.05 新規作成
[Home]
[MacSoft]
[Donation]
[History]